何故今人工知能ブームなのか?簡単な言葉で3つのポイントを紹介!
右を向いても左を向いても「人工知能」という言葉で溢れかえっている昨今です。
全く人工知能でない何かから、かなり人工知能っぽい物までありとあらゆるものが人工知能の呼ばれ、そして大真面目にシンギュラリティ(人工知能が人間の知能を追い越し、世界が変わってしまう特異点)が語られています。
また、人間の仕事の大部分は人工知能に置き換わってしまうのではないか、という話もまことしやかにささやかれています。
しかし、実はずっと前…70年くらい前から、人工知能についての研究は盛んに行われていて、その度に仕事がなくなるとか、人間が機械の奴隷になるのではないかという懸念の声は上がっていました。
ではそれが何故今、70年の時を経てまたブームになっているのか、知っている人以外は知らないでしょう。(当たり前ですが。)
今回は、その「何故なのか?」を、出来る限り簡単な言葉を使って書いていきたいと思います。
ポイントは以下の3つです。
1.新しい人工知能技術の確立
2.コンピューターの高速化
3.API化
1.新しい人工知能技術(ディープラーニング)の確立
今は第三次人工知能ブームと言われています。
何故第三次かと言うと、もちろん第一次と第二次の人工知能ブームがあったからです。
そして今、第三次人工知能ブームの引き金になっている技術は、第一次人工知能ブーム(1947年)の時に確立された「ニューラルネットワーク」という技術を応用したものです。
「ニューラルネットワーク」とは何か?
簡単に言えば、人間の脳みその構造をコンピュータによって再現したものです。
人間の脳みそは、目や耳やその他の感覚器から入ってきた情報を処理していますが、実は最初から処理の内容が決まっているわけではなく、何度も繰り返し情報が与えられる度に、粘土のように形を変え、どんな情報をどんな風に処理すれば良いのか、というのを学習していきます。
赤ちゃんの時には何も出来ず、両親に頼り切りだったのが、3年もする頃には自分で歩いたり言葉を話したり出来るようになりますよね?
あれはその3年でそれらの「歩く」「喋る」などの方法を学習しているのです。決して「年齢を重ねれば勝手に出来るようになる」というわけではありません。
そして、赤ちゃんに正しい処理の方法を教えているのは、他でもない両親ですが、人間の赤ちゃんは両親に教えられていない事も、自分で判断しどんどん学習していきます。
第一次人工知能ブームの時には、人間と同じようにコンピュータにも「教師」と呼ばれる「正解」の信号を入力し、物の特徴を学習させていきました。
その方法で学習をずっと続けていれば、コンピュータが人間と同じような処理能力を手にする日も近いと期待されましたが、実際にはあまりうまく行きませんでした。
上手く行かなかった理由は色々ありますが、しかしその最大の問題が2012年にGoogleのディープ・ブレインによって突破され、1947年に発見された「ニューラルネットワーク」は新しい局面を迎えます。
これによって、コンピュータは教師なし学習ーーつまり、人間が正しい答えを教えなくても、入力された情報の共通の"特徴"を探し出し、自分でその情報の「概念」を形成する事が出来るようになりました。
これがポイントの1つ目です。
ハードウェアの高速化
2つ目のポイントはハードウェアの高速化ですが、単純に「早くなった」というだけでもありません。
先程紹介したディープラーニングでは、GPU(グラフィックボード)と呼ばれる回路がよく用いられています。
このGPUは、そもそもは映像をディスプレイに映したり、CGを生成したりする計算に使われるものでした。
普通のパソコンの計算回路であるCPUと違い、条件分岐のある演算にはあまり力を発揮しませんが、ただひたすら何も判断せずに計算だけをする場合には恐ろしいほどの威力を持ちます。
この「GPUによる計算」の技術が確立されている、というのも、このブームのきっかけになっています。
何故なら、もし50年前に今の方法が確立されても、計算に膨大な時間がかかってしまって「現実的な方法ではない」と判断されてしまったに違いないからです。
API化
そして、最後は"API化"です。
ディープラーニング等の手法を確立させた後、GoogleやFacebookがその技術をどうしたかと言うと、オープンソース化して配布しました。
つまり、今やディープラーニングの技術は、一部の企業や技術者が独占しているものではなく、誰もがその気になれば明日から使うことが出来る技術になりました。
さらに、技術を配布するだけに飽き足らず、「計算も請け負うから好きに使ってくれ」と言わんばかりに、Googleが研究の中で得た「画像を判別するソフト」は登録して少しお金を払うだけで使えるようになってしまいました。
Google Maschine Learning
これは、過去2度のブームの際には見られなかった特徴でもあります。
そして今
2012年のディープラーニングの技術が確立されるまでは、あまり表立ってビジネスの世界には出てこなかった人工知能の技術ですが、(それでも、機械学習という名前で結構実用的に使われていたりもしますが)画像判別の技術はデータマイニング(大量の、未整理のデータから有用なデータを掘り起こす技術)に転用され、大きな価値を生み出すようになっています。
少し前にビッグデータという言葉が流行った背景にも、ディープラーニングの技術の登場があります。
正直シンギュラリティなどはあまり真に受ける必要ないと思いますが、人工知能を使って会社の人員を削減したり、作業を一気に能率化したりという事例はかなりあると思います。
誰かも言っていましたが、「人工知能に職を奪われる」のではなく、「専門職よりも高い能力を、人工知能を使って手に入れる人々が出現する」というのが正しい認識です。
高い能力というのは、一度に処理できる数や正確性を指しています。
バズワードに惑わされず、本当に価値がある人工知能技術を、生活にも仕事にも活かしていきたいですね!
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